2008年4月:嗚呼!フィンランド!
昨年の晩秋の頃からか、ひよんなことから自分の中でフィンランド熱が湧き上がった。
理由はわからない。
偶然、アキ・カウリスマキ監督作品に出会う。
整理してみるとWW(Wim Wender)関係で次の作品を以前観ていたことが判明した。
10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス Ten Minutes Older: The Trumpet (2002)
今回偶然観たのは次の2作品:
街のあかり Laitakaupungin valot (2006)
過去のない男 Mies vailla menneisyyttä (2002)
そこから入手困難なアキ作品をなんとか手配して
観る事が出来たのが次の4作品:
レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ Leningrad Cowboys Go America (1989)
レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う Leningrad Cowboys Meet Moses (1994)
罪と罰 Rikos ja rangaistus (1983)
カラマリ・ユニオン Calamari Union (1985)
残りの作品としては次のものがある。
中でも特に観たい作品は次の2つであるが、まぁ焦っても仕方が無い。
マッチ工場の少女
トータル・バラライカ・ショー
【残りの作品】
パラダイスの夕暮れ Varjoja paratiisissa (1986)
ハムレット・ゴーズ・ビジネス Hamlet liikemaailmassa (1987)
真夜中の虹 Ariel (1988)
マッチ工場の少女 Tulitikkutehtaan tyttö (1990)
コントラクト・キラー I Hired a Contract Killer (1990)
ラヴィ・ド・ボエーム Boheemielämää (1992)
愛しのタチアナ Pidä huivista kiinni, Tatjana (1994)
トータル・バラライカ・ショー Total Balalaika Show (1994)
浮き雲 Kauas pilvet karkaavat (1996)
白い花びら Juha (1999)
【偶然、実父もフィンランドに行った!】
真冬の或る日、実父からメールが届いた。
内容は「今度フィンランドに行く!」というものであった。
丁度次の油絵のための下絵を描くためにトロトロに凍らせた
ウオッカ(フィンランディア)をチビリチビリ舐めていた休日の昼下がりであった。
滅多にモノをねだることなどないが「スナフキン」グッズを買って来て!と
返信した。
昨夜、その実父からのフィンランド土産が届いた。
その一部が次の画像である。
【昔の記憶】
かって一度だけヘルシンキには行ったことがある。
その時に撮った写真の一部。
「ノルウェーの林」 英蟯虫 第一章 より一部抜粋
オスロのカール・ヨハン通りでジーンズを売る店の軒先からボブ・マーレイの「クッド・ユー・ビー・ラヴド」が流れてきて、思わず足が止まってしまい、しばらくその場でその路上で立ちすくんでしまった。突然あの頃に僕に戻ってしまった。
愛し合ってるかい。
あんたは奴らに騙されたり群れちゃいけねぇぜ。
あんたの心はあんたのもんさ。
もしあんたの考えが正しくなけりゃ地獄に堕ちるぜ。
愛は決しておいら達を一人ぽっちにはしないさ。
暗闇からでも光の中へ脱出しなけりゃなんねぇのさ。
愛し合ってるかい。
記憶というものはとても曖昧でさっぱり想い出せない事もあれば、些細な事を鮮明におぼえていたりする。ごちゃ混ぜになったり、前後したり、なかなか整理がつかない。
僕はこうして僕自身の過去を遡る内面の旅に出た。
僕はあれからずっと自分の内面を彷徨っている。
ヘルシンキにあるマンネルヘイミン通りにあるストックマン・デパートの前でもデュッセルドルフのカウ・ホーフ・デパートの前でもボブ・マーレイはまだ僕の中で歌っている。
愛し合ってるかい。
あんたは奴らに騙されたり群れちゃいけねぇぜ。
あんたの心はあんたのもんさ。
もしあんたの考えが正しくなけりゃ地獄に堕ちるぜ。
愛は決しておいら達を一人ぽっちにはしないさ。
暗闇からでも光の中へ脱出しなけりゃなんねぇのさ。
愛し合ってるかい。
一昨日は極低温のサンクト・ペテルブルクのネフスキー通りを凍えながら歩いていた。もはや何処のどの通りを歩いても何も感じず、僕の殻はすっかり凍てついていて、外面からどんな刺激を受けても殻の中の僕には何の影響も及ばない。
【つづく】